【独身淑女のクリスマス】 第20章

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第20章


ジェラルドが図書室に向かったのは、ただ不機嫌だったからだ。大晦日の夕食会のために着替えをする時間を知らせるベルが、もうすぐ鳴るだろう。だが彼は、セシールが持っている二流のブランデーを一、二杯飲みたいだけだった。

 女性にプロポーズしたのは初めてだった。一回目の試みで断固として拒否されたのは、ただ運が悪かっただけだろうか。

 そして、自暴自棄の男子生徒のように、彼女にキスをしてしまった。

 そうしたら、彼女はキスを返した。

 それから……

 彼女がわざと自分を突き放したことを、論理的に理解することはできたが、あれは、まるでお腹にパンチを食らうような言葉だった。

(彼女はどうすればお前さんが傷つくかを知ってる。誰とも親しくならない方が身のためだぞ)

 いや違う。ミランダはそういう感情を持って生きてきたのかもしれないが、自分だったら、愛のない生活の方がよくないことを彼女に伝えようとするだろう。

 ミランダのキスによって、彼女がジェラルドをしっかり繋ぎとめているという事実が単に強められた。彼の家は、彼女がいる場所だった。

 そういう思いに耽りながら図書室の窓に目をやるとすぐ、マイケルが南側の芝生を横切って走ってくるのが見えた。子供を抱えて。

 エリーだった。

 ジェラルドは足を引きずって図書室の外に出、首の骨が折れそうになりながら階段を駆け下りた。

「キャプテン・フォーモント!」ミスター・ドライデールの声が上の踊り場から聞こえたが、ジェラルドは止まらず、大きな円形の玄関ホールでマイケルに会った。走るマイケルに強く抱かれていたことに加え、見知らぬ人の腕の中にいる恐怖のためか、エリーは泣いていた。ジェラルドを見るなり、彼の方に手を伸ばし、ジェラルドはエリーを抱えるために松葉杖をやむなく落とした。

「ミランダ……」マイケルは息を切らした。「馬車、ハリエットが……」

 氷のように冷たい水が背筋を走った。「どこに?」

 マイケルは頭を振った。「馬車で……」

 そうだ、セシールの一番軽い馬車を借りたら追いつくことができる。しかしエリーが……

「僕が乗ろう」ミスター・ドライデールがいきなりすぐ近くに現れた。「大尉、先に馬小屋まで行って、馬丁に言ってくれないか。キャプテン、エリーはローラに」

 ローラ?見回すと、ウィンウッド夫人が急いで下に降りてくるのが見えた。「どうしたの?」

「後で説明します」ジェラルドはエリーを手放し、エリーは喜んでウィンウッド夫人の方へ行った。

 マイケルはすでにいなくなっていた。ミスター・ドライデールはジェラルドが落とした松葉杖を拾って手渡し、二人は馬小屋に向かった。着くと、ちょうどセシールの馬車に馬がつながれているところだった。馬丁は不承不承だったが、ミスター・ドライデールが叫ぶとようやく、マイケルのため馬に鞍を置いた。

 それを待つ間、マイケルが説明を始めた。「ミランダとメイドが森の方へ歩いていくのを見たんです。ミランダは自分が危険にさらされていることを知っているので、メイドと出かけるはずはありません。変だと思って後をつけたら、南側の小道に止まっていた旅馬車に変な女がいたんです。エリーはその馬車の中にいました。彼らはミランダと引き換えにエリーを降ろしたんです。メイドにはお金が入った小袋も」

「そうやってミランダを屋敷の外へおびき出したってことか」ジェラルドは言った。「その女がハリエット?」

「そう、それでメイドとエリーが屋敷に戻るのを待ち伏せしてたんだ」マイケルは言った。「早くエリーを連れて帰るために、メイドには行ってもらった。馬車はロンドンに向かってる」

 まだ彼らを止めることができる。神の恵みによって、ジェラルドは図書室の窓際にいて、ミスター・ドライデールはジェラルドが階下に駆け下りていくのを見たから、マイケルはすぐに彼らを見つけることができた。

 ミスター・ドライデールは確かに操縦が上手く、手綱を取ると、狂ったような速さで道に沿って巧みに進んでいった。ジェラルドは、ハリエットとミランダのことについて事情を話した。

「有料道路に入るまで、ロンドンまで行く道は一つしかない」ミスター・ドライデールが言った。「それまでには追いつけるだろう」

 隣に座っているジェラルドは、自分の無力さを感じていた。何かすることができれば気も紛れるだろう。だが今は、悪魔の高笑いのような声が頭に響くだけ……やっとの思いで、その声を追いやった。

(神よ、助けてください。今度こそミランダを失望させられません)

 すると、声ではない声が聞こえた。彼女は私の手の内にある。心配することはない。

 悪魔の笑い声は止まった。ジェラルドは心が晴れた。

 彼女は必ず見つかる。怪我をしてイギリスに戻ったとは言え、ここで彼はミランダに会ったんだから。火傷の痛みが徐々に退いていくように、胸の苦しみが和らいでいった。

 カーブを曲がると、馬車が道の脇に止まっているのが見えた。先を走っていったマイケルは、すでに馬から降りていた。

「止まれ!」ミスター・ドライデールは馬を止めた。

 馬車の中は空っぽ、ドアは開いたままだ。つながれている馬は、おとなしく年老いた馬だった。休息を喜んでいるようで、見知らぬ者には耳をピクリともさせなかった。

 ジェラルドは馬車から飛び降り、丈夫な方の足で着地して、何とか倒れないように片方の松葉杖を前に出した。

「なんてバカなことを」ミスター・ドライデールが彼に叫んだ。

 ジェラルドは彼の言ったことを無視した。赤と黒が一瞬目に留まったから。

 森のはずれに向かう地面に落ちていた。近づいて手に取る前から分かっていた。彼のスカーフ、ミランダにあげたものだ。森を見回したが、見えるのは木々と雪、そして影だけだった。

「逃げ出したんだ」ジェラルドは思わず笑みで口が横に引っ張られた。

「彼らも彼女を追って森に入ったようだ」マイケルが言った。

「馬を外してくれないか。後を追わなくては」

「君の足は——」

「足を持ち上げてくれ!」

 事故に遭う何ヶ月も前から馬に乗っていなかった。膝で馬を導くための足の強さもない。だが、この忌々しい松葉杖では、森の中を進んでいくことはできず、取り残されてしまう。

 馬は馬車から外された。ジェラルドは痛みも感じず、マイケルの助けを借りて、鞍を置いていない馬にまたがった。関節の筋肉が引っ張られる痛みのために声を上げたが、素早く馬を森の方に向けることができた。

 できる限りの速さで走った。ミスター・ドライデールは数ヤード左側、マイケルは右側を走っている。低く垂れた枝のために何度か頭を切られそうになったので、馬の首の上にかがんだ。馬が進むたびに膝に痛みが走ったが、歯を食いしばって乗った。馬から滑り降りた後で歩くことができなくても、彼女を見つけるまでは戻らない。

「ミランダ!」木々と雪に囲まれているためか、妙に声が消された。もう一度、もっと大きな声で呼んだ。「ミランダ!」

 すると突然聞こえたのは、一発の銃声だった。

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